FIRE前に必要な生活防衛資金|いくら現金で持つべきか?
FIRE達成前後に確保すべき生活防衛資金(緊急予備資金)の目安を解説。暴落時のバッファー、医療費、失業リスクへの備え方を具体的に紹介。
生活防衛資金とは何か
生活防衛資金とは、投資とは別に現金や流動性の高い資産で確保しておく緊急用の資金です。FIRE計画において、この資金は「保険」の役割を果たします。
なぜ生活防衛資金が必要なのか
- 暴落時のバッファー: 株式市場が30〜50%下落した時、投資資産を売却せずに生活を続けるため
- 突発的な大型出費: 病気・怪我、家電故障、冠婚葬祭など予期せぬ支出への備え
- 収入途絶のリスク: FIRE前の失業、FIRE後のサイドFIRE収入の減少
- 精神的な安心感: 現金がゼロだと、投資の含み損に対する不安が増大し、パニック売りを誘発する
生活防衛資金がないままFIREに突入するのは、パラシュートなしでスカイダイビングするようなものです。FIRE計画では、投資資産とは明確に分けて管理しましょう。
FIRE前に必要な生活防衛資金の目安
FIRE達成前(資産形成期)に確保すべき生活防衛資金の目安です。
会社員の場合: 月間生活費の3〜6ヶ月分
- 失業しても雇用保険(失業給付)がある
- 最低3ヶ月分、安心を求めるなら6ヶ月分
フリーランス・自営業の場合: 月間生活費の6〜12ヶ月分
- 雇用保険がなく、収入が不安定
- 最低6ヶ月分を確保
具体的な金額例(月間生活費25万円の場合)
- 会社員: 75万〜150万円
- フリーランス: 150万〜300万円
生活防衛資金の置き場所
- 普通預金: すぐに引き出せるが金利はほぼゼロ
- ネット銀行の定期預金: 金利0.2〜0.5%。1ヶ月〜3ヶ月満期にすれば流動性も確保
- 個人向け国債(変動10年): 金利がインフレに連動。1年経過後は中途換金可能
注意: 生活防衛資金は「増やす」ための資金ではなく「守る」ための資金です。高利回りを求めてリスク資産に入れてはいけません。
FIRE後に必要な生活防衛資金の目安
FIRE達成後は、通常よりも多めの生活防衛資金が必要になります。理由は、定期収入がなくなる(または大幅に減る)ためです。
FIRE後の推奨額: 月間生活費の12〜24ヶ月分
なぜ多めに必要なのか
1. 暴落耐性: リーマンショック級の暴落からの回復には3〜5年かかる場合がある。最低1〜2年分の現金があれば、資産を売却せずに市場回復を待てる
2. 再就職の難しさ: FIRE後にブランクがあると、すぐには仕事が見つからない可能性がある
3. 大型出費への備え: 持ち家の修繕(屋根・外壁で100〜200万円)、車の買い替え(100〜300万円)など
具体的な金額例(月間生活費30万円の場合)
- 最低ライン(12ヶ月分): 360万円
- 推奨(18ヶ月分): 540万円
- 安心ライン(24ヶ月分): 720万円
重要: この生活防衛資金はFIREナンバーとは別枠で確保してください。FIREナンバー7,500万円+生活防衛資金540万円=合計約8,040万円が真に必要な金額です。
生活防衛資金の運用ルール
生活防衛資金を長期間維持するための実践的なルールをお伝えします。
ルール1: 投資口座と完全に分ける
生活防衛資金は専用の銀行口座に入れ、証券口座には絶対に入れません。「ちょっとだけ投資に回そう」という誘惑を物理的に遮断するためです。
ルール2: 使ったら即補充する
緊急出費で使った場合は、翌月から毎月の投資額を減らしてでも生活防衛資金を元の水準に戻します。投資よりも生活防衛資金の補充が優先です。
ルール3: 年1回見直す
生活費が変動したら生活防衛資金の目標額も見直します。生活費が月25万円→30万円に増えたら、防衛資金も相応に増やしましょう。
ルール4: FIRE前後で金額を切り替える
FIRE達成が近づいたら、生活防衛資金を12〜24ヶ月分に増額する準備を始めます。FIRE達成の1〜2年前から、投資額の一部を現金プールに振り向けるのが理想的です。
ルール5: インフレ対策を忘れない
現金は年2%のインフレで実質価値が目減りします。生活防衛資金の一部を個人向け国債(変動10年)にすることで、インフレに連動した利息を受け取れます。